最後の努力もそこそこに

滅多に更新しない読書記録です

2012-07-01から1ヶ月間の記事一覧

これからの「正義」の話をしよう 要約

これからの「正義」の話をしよう 各章要約のもくじへ〇これからの「正義」の話をしよう 全体要約 ◆導入 何が正義かという議論に結論が出ない一つの理由は、人によって正義に求めるものが異なるからである。ある社会が公平・公正かどうかを、すなわち正義を問…

これからの「正義」の話をしよう その10

<―第九章へ|これからの「正義」の話をしよう もくじへ|要約へ―>○第十章 正義と共通善 ◆ケネディからオバマへ 1960年、カトリック教徒であるジョン・F・ケネディは、大統領選挙において「宗教は私的な事柄であり、公的責任とは何の関係もない」と明言し…

これからの「正義」の話をしよう その9

<―第八章へ|これからの「正義」の話をしよう もくじへ|第十章へ―>○第九章 互いに負うものは何か?…忠誠のジレンマ ◆国家は歴史上の過ちを謝罪すべきか ここまでで、本書における主張の土台となるあらかたの題材は出そろった。サンデル自身の主張を述べる…

これからの「正義」の話をしよう その8

<―補足へ|これからの「正義」の話をしよう もくじへ|第九章へ―>○第八章 誰が何に値するか?…アリストテレス ◆アリストテレスの政治哲学 アリストテレスの政治哲学の中心には2つの観念がある。 一つ目は 1:正義は目的にかかわる。正しさを定義するには…

これからの「正義」の話をしよう その7.5

<―第七章へ|これからの「正義」の話をしよう もくじへ|第八章へ―>○勝手な補足 第八章に入る前に 次の第八章において、マイケル・サンデル自身の主張を導き出すための材料がほぼ出そろうことになる。サンデル自身の主張の前提となる土台は「アリストテレ…

これからの「正義」の話をしよう その7

<―第六章へ|これからの「正義」の話をしよう もくじへ|補足へ―>○第七章 アファーマティブ・アクションをめぐる論争 アファーマティブ・アクション (積極的差別是正措置)とは、弱者集団の不利な現状を、歴史的経緯や社会環境を鑑みた上で是正するための改…

これからの「正義」の話をしよう その6

<―第五章へ|これからの「正義」の話をしよう もくじへ|第七章へ―>○第六章 平等をめぐる議論…ジョン・ロールズ 法と政治についてカントは、「仮説上の同意」という論理を編み出し、その国民全体が同意しうるものなら、その法は公正だと考えた。しかし、ど…

これからの「正義」の話をしよう その5

<―第四章へ|これからの「正義」の話をしよう もくじへ|第六章へ―>難解だが普遍的道徳を語る際に避けて通れない話題だけあって、一番長い章です。まとめたら、すごい長い上にただのカントの理論の説明になりました…。○第五章 重要なのは動機…イマヌエル・…

これからの「正義」の話をしよう その4

<―第三章へ|これからの「正義」の話をしよう もくじへ|第五章へ―>〇第四章 雇われ助っ人…市場と倫理 正義をめぐる議論が白熱すると、必ず自由市場の話になる。自由市場は公平なのか。お金で買えないもの、買ってはならないものはあるのだろうか。もしあ…

これからの「正義」の話をしよう その3

<―第二章へ|これからの「正義」の話をしよう もくじへ|第四章へ―>○第三章 私は私のものか…自由至上主義 (リバタリアニズム) 「他者の権利を侵害しない限り、各個人の自由を最大限尊重すべきだ」という立場をリバタリアニズム (libertarianism:自由至上主…

これからの「正義」の話をしよう その2

<―第一章へ|これからの「正義」の話をしよう もくじへ|第三章へ―>〇第二章 幸福最大原理…功利主義 (Utilitarianism) ジェレミー・ベンサム (Jeremy Bentham)の提唱した功利主義の基本理念は非常に明快だ。「最大多数個人の最大幸福」で知られるように、…

これからの「正義」の話をしよう その1

これからの「正義」の話をしよう もくじへ|第二章へ―>ものすごく今更感はありますが、今更読んでます、マイケル・サンデル (先日買ったら第94版でした)。 門外漢の領域ではありますがとても面白いので、何回かに分けて、勝手に要約します。 〇第一章 正し…

これからの「正義」の話をしよう 目次

● 全体要約へ 〇第一章 正しいことをする 〇第二章 幸福最大原理…功利主義 (Utilitarianism) 〇第三章 私は私のものか…自由至上主義 (リバタリアニズム) 〇第四章 雇われ助っ人…市場と倫理 〇第五章 重要なのは動機…イマヌエル・カント 〇第六章 平等をめぐ…